点と点の話
梅村拓未の2018年
あけましておめでとうございます.今年は多くの方に直接言えないのが残念ですが,今年もどうぞよろしくです.
さて,新年明けてから,一年を振り返るというのも変な話なんだけど,簡単に振り返りを.
ずっとやりたかったけど,一歩を踏み出せなかった海外への挑戦.2018年やっとその重たかった一歩を踏み出せた.正直どこでもいいからもう出たい!と思ってもいた.だけど,自分で自分の背中を強く押すためには,「これをここでしたい!」が必要だった.
子どもと関わる仕事を中学生の時から志してきた僕にとって,「バルシューレ」というスポーツを通した子どもとの関わりを追求したものに出会い,そのバルシューレを生んだ教授と繋がりのある先生が,自分が選んだ大学にいたというのは紛れも無い奇跡だったと思う.
2018年1月,僕は本当に素敵な先生と出会った.前にも書いたが,その先生は大学を卒業後,大学院に進んだが,何か違うと感じ,青年海外協力隊,アメリカ留学,中学校の教員を経て,大学の先生になっている.その先生の話の重さ,その先生の人としての魅力はまさに僕の目標としている教育者だった.
3月,研究をするために入った大学院だったが,どうしていいかわからなくなり,研究したいことはあっても,研究って何?分析って何?という壁に当たり,今の環境をどうにか変えて,新たな挑戦をしたいと思うようになった.そこで目を向けたのが海外だった.しかし,そこには「なぜ?」が大きくかけていた.
4月,北海道の未来チャレンジ基金の話を僕の先生がしてくれた.海外に挑戦する若者を金銭面で応援するという企画だった.締め切りまで1週間の時にその話を受け,2日後には行くことを決めた.親にもプレゼンをして,自分がなぜドイツに行くのか,なぜ海外に行くのか真剣に説明した.その時初めて自分で親を納得させることができた.
8月,とうとうドイツへ来た.最初の1ヶ月は今までの24年間でした失敗よりもたくさんの失敗をしたと思う.何度日本が恋しくなったかわからない.僕の英語はほとんど通じない,ドイツ語は全くの0,Danke schön しか知らない.人と話すことが辛くて嫌だった.インターネットも使えなくて,人と話せなくて,洗濯機回せなくて,いろんなところで無駄にお金取られて,何しに来たんだろうって何度も考えた.
でも,たくさんの人が助けてくれた.知り合った日本人,拙すぎる英語を真剣に聞いてくれる友達,自分のキャラクターだけでコミュニケーション取れることもあるんだっていう自信にもなった.最初の1ヶ月語学学校で「Takumi`s fan page」っていうSNSのグループができたくらいだ.笑
9月,ハイデルベルクでバルシューレの活動が始まって,たくさんの人に会った.同じように海を渡ってきた日本人との出会いも刺激的だった.一緒に将来についてたくさん話したし,笑いながら酒も飲んだ.ドイツのサッカー文化に魅了されて,現役の選手としてもう一度ピッチに立ち,たくさんの外国人(ここでは僕が外国人)とボールを蹴った.中学生とも一緒になってサッカーをした.
それからの日々は何があったかなんて書ききれない.ただ,どれも僕にとって失敗も含めて初めての経験ばかり.やったことないことをするのがこれほど勇気が必要で,これほどワクワクすることだとは思わなかった.意味わかんないくらい刺激的な充実した日々を送ることができたと思う.
さて,こっからどうする?
目標を立てるってのはとても大事なこと.
ただ,やりたいことや目標が多すぎてどうしていいかわからない.
・学ぶためのツールであるドイツ語をもっと学ぶこと.
本当にこれができないとバルシューレどころではないし,ドイツで何か学ぶには厳しすぎる.英語は世界の共通語であるのは間違いないし,やはり大体の人は英語を話すことができる.でもドイツでは,ほぼドイツ語で会話が行われる.スポーツの指導現場も全てドイツ語.子供達とのコミュニケーションもドイツ語.街の看板も観光地以外はドイツ語だけ.その国で何かを学ぶならやはりその国の母国語が必要になる.
・スポーツを通して子どもと関わる仕事を模索する.
これはもう多分ずっと考えます.エンターテイナー目指します.
・もっとたくさん失敗する
これすなわち,もっとやったことないことやってみるって感じかな.今年以上にたくさん失敗したいなと思っていて,それが間違いなく自分の強さになる.
そして,ドイツから日本に帰るときには,ドイツ人の友達の前で,ある曲を歌ってから帰りたい!興味のある方は是非聞いてみてください.Holzという曲で,意味は「木」
https://www.youtube.com/watch?v=wjXUBG15eZ8
長期的な目標のためにもっと細かく目標を立てていく必要があるのはわかっているが,まず目の前にあることをしっかりこなしていきたい.例えば,ドイツ語のB1の教科書を2ヶ月で終わらせるとか,バルシューレの理念についてもう一度しっかり学び,その理論が指導の現場でどう生かされているか,ドイツ語で理解するとか.
毎日行動して,どんどん情報を集めて,突き進んでいくことが去年と変わらず,今年も必要だなと感じている.
もう少し,はっきりとした目標を立てるためには時間が必要かな.
点と点を今の立ち位置から結んでみる
僕はときどきモチベーションを上げるために,スティーブ・ジョブズのスピーチをYoutubeで見ることがある.その動画の中でスティーブ・ジョブズは主に三つの話をするのだが,その話の一つが,
「点と点を結ぶ」
という話.
彼は本当に数奇な人生を送っている.大学を中退したり,自ら立ち上げたAppleに追い出されたり,また戻ってきたりと,まさにジェットコースターのような人生である.
決して,自分の未来を考えて点を打つようには,自分の人生を作っていくことはできない.でも,今の位置から振り返ると克明に見える,大学を中退したことも,Appleを追い出されたことさえも,全て今の自分に繋がっていると.
彼はそう言っていた.
僕はその言葉を信じて,考えながらも前に進んできたつもり.
僕は今ドイツにいる.正直一年前の僕はドイツにいることを夢にも思わなかった.しかし振り返れば繋がっていることはたくさんある.学部時代の先生はドイツの教育者の研究をしていて,ドイツ語の本の翻訳を手がけていた.その先生の紹介で行った大学院の先生もドイツのスポーツクラブの研究をしていて,何度もドイツに行っている先生だった.大学院に入ってすぐに一緒にドイツに行こうと誘われたが,タイミングが合わず,行くことができなかった.大学院でバルシューレというドイツ発祥の子どものボール運動プログラムと出会う.また,大学院で取った授業の先生がドイツの特別支援の研究をしていて,その先生は「日本の教員免許がそのまま使える州があって,ドイツで日本人の先生を欲しているところがあるよ」と言っていた.
よく考えてみれば,一番僕に取って身近な国がドイツだったのかもしれない.
様々な点が今の自分に繋がっていて,それは自分から行動して,その時は正しいかわからないけど,決断して,自分で打ってきた点だったように思う.じゃあ,これからの僕も,そうするべきで,たくさん行動して,その度に悩んで,決断して,点を打っていく.そうすることで,5年後,10年後に,全く姿を想像できない自分になれるんじゃないだろうか.
一年後の自分が,「まさかこうなっているとは思わなかった」と思えるように,今年も自分からどんどんアクションを起こしていこうと思う.