ドイツ在住サッカー指導者・中野吉之伴さん

本との出会い

https://www.amazon.co.jp/ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする-自主性・向上心・思いやりを育み、子どもが伸びるメソッド-中野吉之伴/dp/4816363610/ref=sr_1_2?qid=1562208727&s=books&sr=1-2

日本にいるときに,中野吉之伴さんという方が書いた「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」という本に出会った.このとき僕はまだドイツに行くということも決めていなかった.その本はドイツの育成環境について書いてある大変興味深い本だった.

 

その本を読んで数ヶ月してから僕のドイツ行きは決まる.

そのとき知っていたのは,中野さんがドイツのスポーツクラブでサッカーの指導をしていて,それも20年ほどドイツには住んでいるということだった.ドイツに行ったら会いたい!と思った僕はとりあえずツイッターを使って連絡してみることにした.

 

「8月からドイツに行くので,よかったらお会いできないでしょうか.子どものスポーツ,サッカーの育成についてとても興味があります.」

 

というような内容のメッセージを送ると,1週間ほどで返事が返ってきて,

 

「こちらまでお越しくだされば,色々とお伝えできると思います.」

 

というような内容が書かれていた.


なかなか会うのって難しい

実際にドイツに来てみるまでわからなかったが,ドイツは広くて,来た当初はどこにどの町があるのか,どうやっていったらいいのか,何もわからない.何度か連絡はしたけれど,どのタイミングで,何をしに会いに行くのか,その辺が定まってないとただ失礼ではないか,など色々考えていたのと,ドイツ語も勉強しなければいけなかったのもあって,会いに行く話は少し心の奥にしまうことにした.

 

僕はドイツでの生活も3ヶ月に達した頃,自転車がなくなったり,ドイツ語がわからないこともあって活動自体にどう参加していいのかわからず,途方にくれていることがあった.そんなときに中野さんがブログで「海外挑戦はありか,なしか」というテーマで書いていて,それは目的を達成できていない,なぜ来たのかわからないと迷いの中にいた自分にとって救いとなる言葉がたくさん並んでいた.ぜひ,多くの人に読んでもらいたい.

 

https://www.targma.jp/kichi-maga/2018/10/24/post2719/

 

ハイデルベルクで出会ったのぶくんが11月に帰国した後,中野さんが日本で開いた講演会に参加して,色々と話をして,中野さんのウェブマガジンのインターンシップを受けることになったと話してくれた.

 

世間って狭い!

 

その話を交えながら,もう一度僕は中野さんにメッセージを送ったところ,近くの町で一度お昼でも食べようかということになったというわけだ.そこで,中野さんのブログを読んで何度も励まされたこと,ドイツに来た経緯や,今までのことを話し,中野さんのクラブの話を聞いたりしながら,とても貴重な時間を過ごした.しかし僕にとって2時間では足りず,そこで中野さんのフライブルクのクラブを見せてくださいとお願いして,次に会う約束をした.


フライブルクでの再会

さて前回から約1ヶ月半後に,再会できた話をしようと思う.

 

今回は,中野さんの自宅に2泊3日でお邪魔して,クラブ見学をさせてもらえることになった.これだけでなんとありがたい話だろうか.

 

今回の目的としては,中野さんの活動するサッカーチームの活動を見せてもらい,実際の指導を見て,中野さんにこれまでの話や感じていることを聞くことだった.あいにくの雨だったが,実際に高校生に対する指導を見せてもらい,そこで選手との実際のコミュニケーションをどうやってとっているか,どのように指示しているのかを間近で見せてもらった.中野さんの指導だけでなく,若くしてチームを指導する他の指導者のトレーニングやクラブの雰囲気も味あわせてもらい,大変貴重な経験になった.

 

2日目の夜には,一対一でゆっくり話す時間もいただき,インタビューもすることができた.そのときのインタビューは後日このブログにもあげたいと思う.ドイツで長い間指導者として活動してきた中野さんの生の声は多くの指導者,教育に関わる人たちにとって価値あるものである.

 

空き時間には,中野さんの息子さんたちとも遊んだ.子どもたちの好きなサバイバルゲームをしたり,ウノを楽しんだり,そんな時間も子どもたちと信頼を気づいていくためにはとても大切なことである.実際に食卓で奥さんのご飯もいただき,家族の皆さんとなんとも素敵な時間を過ごすことができた.

 

中野さんとの会話は,中野さんのウェブマガジンで公開していただいた.僕が話したことは,ドイツに来て感じたことや日本と比べて新しく気づいたことである.それを価値あるものとして掲載していただいたことがとても嬉しかった.出来るだけ多くの人に読んでもらえたらなと思うし,僕も中野さんの言葉を多くの人に共有していきたいと思う.子どもやサッカーと関わっていく上で大事なことだらけだった.


やりたいことを言うことによって生まれる新たな出会い

帰国が近づいて今振り返れば,ドイツではほぼツテなんてゼロだった.それが,色々なところに顔を出し,自分のやりたいことをいろんな人には話すことによって,本当にたくさんの人が僕に会ってくれたり,助けてくれたりした.それは外国人だろうが日本人だろうが関係ない.とにかく,いろんなところで,「僕は〜がしたい」とずっと伝え続けた.

 

こんな話がある.

 

ハイデルベルクのベンチに座っているときに,僕は隣にいた子連れのおばさんに話しかけた.最初は近くでやっていた宗教系のイベントについてだったが,話していくうちに,ドイツで何しているの?と聞かれる.僕はそこから自分の活動やこういう目的で来たというようなことを伝えた.

すると,彼女は,

 

「私,マンハイムで学校の先生をしているんだけど,よかったら今度学校やスポーツの授業見にくる?」

 

と言ってくれた.僕は感動して自分の連絡先を渡して,彼女からの連絡を待っていた.

 

しかし残念ながら連絡はなかった.でも,こんな道端での出会いからこういうきっかけが生まれることもあるということを身をもって知った瞬間だった.自分で言うのもなんだが,1つ1つの行動が,ドイツでたくさんの経験ができたきっかけなんだなと今振り返って思う.これは外国に限ることじゃない.いつ繋がるかわからないけど,自分のやりたいことを発信していくことで,助けてくれる人,協力してくれる人,導いてくれる人が現れることは紛れもない事実である.

 

中野さんとの出会いも,モンテッソーリの学校を見学できたのも,森のようちえんの見学に行けたのも,全てそこから始まったこと.これからも「自分のやりたいことを言う」ってことを大切にしたい..

 

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