友達の頑張りに刺激を受けて
過去の話をする前に
実のところ,懐かしい話か愚痴しか言わない人は好きではありません.
やっぱり久しぶりに友達に会ったら,今の話か先の話,つまり目標とかそういう話をするほうが好きです.
だからというのも変な話ですが,正直過去に戻りたいとは思わないタイプです.中学校から高校に進学したときに必ずといっていいほどある話として,「中学校の友達は〜だった!」というような類の話.それは高校から大学に進んでも,大学を出て働いても,「〜のときは,こうだったのに.」という話はあるような気がします.
懐かしい話自体が嫌いなわけではありません.実際するときもありますし,その話で大笑いに発展することもあります.ただ,「懐かしい話しかできない」というのは嫌です.
さて,今回は過去の話をするのがあまり好きではないとか,最初っから言い放った私が,過去についての話をしたいと思います.
高校で得たものはなんだ
誰がぼくの名前を出したのか,わかりませんが,某有名進学校・札幌新川高校の卒業生として,札幌市立高校についての取材を受けるという話が,僕のもとへ来ました.
最初は断ろうと思っていたのですが,逆に断る理由が見つからず,根っこが目立ちたがり屋の僕はこの話を受けることにしました.
事前に知らされていた質問内容としては,
・新川高校で学んだことで今に生きていることはありますか?
・心に残っているエピソードは?
・札幌市立高校の特色は?
正直,どれもピンと来ませんでした.
高校生の頃の僕はとにかくサッカーばかりしていました.高校を選んだ理由もサッカーでした.札幌市立高校だと認識したことは在学中ほとんどありません.
さらに,部活で学んだことはたくさんあっても,他のエピソードや,まして今の自分につながっていることはないんじゃないかとさえ思いました.それくらい高校での日常生活はあまり記憶にありません.
ただ,じっくり思い返してみました.
せっかく聞かれているのだから,きっと何かあるはずだと思って.
よく考えれば,たくさんの友達がいて,馬鹿なことも結構しました.修学旅行も特別な活動をしたわけではないけど,相当楽しかった記憶もあります.友達の誕生日に,「はじめの一歩」を全巻買って,学年全員(320人中150人くらい)に1巻ずつ渡して,その中にメッセージを書いてもらい,廊下に並ばせて,その友達にプレゼントするみたいこともやりました.
きっとその時は,楽しんでいたんだと思います.
素敵な先生もたくさんいました.
僕にとって,衝撃的だったのは「一回死んだことのある先生の話」
一度危篤になった先生が,生死の狭間をくぐり抜けて,倒れそうになりながらも教壇に立ち続ける思いを聞きました.今度別の投稿でその話については詳しく触れようと思いますが,その話を聞いて,教師という仕事の尊さを実感しました.
僕という人間は間違いなく過去の積み重ねで成り立っています.最初にも言った通り,懐かしい話か現状に対する愚痴しか言わない人は嫌いです.
でも,今の自分と過去が関係ないことにはなりません.楽しかったことも,感動したことも,辛かったことも,つまらなかったことさえも,きっと今の自分の血肉になっています.そういう振り返る機会をもらえたことに感謝しないといけないなと思いました.
友達の頑張りを見て
ここでやっと本題です.
今回,こんな記事を書こうと思った原動力をくれたのは,ずっと会っていなかった新川高校時代の友達・蛯谷凛之介くん(以下,凛ちゃん)でした.
彼は大学を卒業してからも,ずっと演劇をしていて,今日彼の演劇をやっと見にいくことができました.
凛ちゃんは高校時代,まさにスターでした.みんなから愛される芸能人みたいな男で,人を笑わせる天才だと当時は思っていました.
高校3年の時,凛ちゃんがいつもの悪ふざけで,大人のDVDを僕の誕生日に買ってきて,学校で僕に渡しました.そのときに運悪く先生に見られ,その先生はわざわざ職員室で,そのDVDを使って僕たちのことを数回叩き,大変恥ずかしい思いをしました.
その日,家に帰ってから,凛ちゃんからメッセージが届きました.
そこにはその当時,ブームだったオリエンタルラジオの武勇伝のネタが書かれていて,「これで明日みんなをぎゃふんと言わせようぜ」とのことでした.
次の日,僕たちは学校で1番恥ずかしい2人から,それをネタにしてみんなを笑わせるスターへと変貌を遂げました.
面白いこと,特に人を笑顔にすることが好きな凛ちゃんが,演劇で今もたくさんの人を笑顔にしている姿を見て,なんだか胸が熱くなりました.
演劇は約2時間.本当にたくさんのセリフと設定があります.
僕にはどれだけの練習が必要だったかのか,わかるはずもありません.
そんな凛ちゃんが最後の挨拶で,
僕は今年26歳になります.26歳と言えば,ほとんどの人が仕事をしていて,結婚している人もいます.正直人生に焦っています.
と言っていました.
僕も今年で26歳を迎えますが,まだ学生.友達には「永遠の学生」なんて言われています.正直,こんなんでいいのかな,人生この選択で間違えてなかったんだろうか,そんなことを時々思いますが,
未来に悩みながらも,必死で前へ進んでいる友達の姿は,確実に僕の心の支えとなりました.
素敵な劇を今日はありがとう.今度ゆっくり懐かしい話,そしてこれからのことを話そう.