僕とロードバイク(後編)
僕とロードバイク(前編)を書いてから,大変時間が空いてしまいました.
プログを書いていると,書くタイミングというものを失ってしまうことがあります.待っていた人がいるかどうかはわかりませんが,これから『僕とロードバイク後編』を書いていこうと思います.
まだ
を見ていない人はぜひ,見てから後半をお楽しみください.
あまり仲が良くないとき
釧路の周辺の町や村へロードバイクと一緒に行き,自然に触れることは,僕にとって本当に新鮮で新しい感覚だった.歩くには遠すぎる.車では速すぎる.それに比べて自転車は絶妙だった.
ロードバイクを手に入れた次のシーズン.つまり2015年春.
啓太は1人で西日本の縦断の旅に出た.啓太は沖縄から関西まで自転車だけで走り切り,北海道へと帰ってきた.僕は行きたい気持ちを抑えて,サッカーに力を入れたいんだと啓太に伝え,一緒に行かなかった.
きっと啓太は1人で黙々と,自然と戦ったはずだ.
僕はおそらく,それから2年間あまり自転車に乗らなかった.
なぜかはわからないが,乗りたいという気持ちにならなかった.啓太がいろんなものを捨てて走っているのを見て,自転車と心中する決断をしなかったからなのか,車を手に入れて移動手段として必要なくなったと感じてしまったからか,今ではよく覚えていない.
その頃,僕はロードバイクとあまり仲が良くなかった.
また好きになる時がくる.でも・・・
2017年,大学を卒業し,大学院に進学した.
大学で企画を自分で立ち上げ,釧路から岩見沢まで自転車で走破するというイベントを行う.これに啓太も巻き込み,僕たちはいろんな人たちの手を借りて,北海道教育大学釧路校から,旭川校を通り,岩見沢校まで走った.
それが僕にとって久しぶりのロングライドだった.
啓太とともにロードバイクで走ることはたまらなく気持ちが良かった.
そして2018年夏,ドイツ行きが決まり,僕はドイツにロードバイクを持って行くことにした.
JALとANAは飛行機に自転車を積むのにお金がかからない.
ドイツは自転車の国というわけではないが,日本よりはずっと自転車文化が進んでいた.どこの道も大体自転車専用道路があって,たくさんの人たちが移動に自転車を使う.ロードバイクのようなスポーツバイクに乗っている人,ママチャリのような形だが,平均時速25キロも出る自転車に乗っているおばさん,ベビーカーを後ろにつけて自転車を漕ぐお父さん.とにかく自転車に乗っていることを楽しませてくれる国だった.
何より,ヨーロッパで自転車に乗ると,「ただの渡航者」から「街の人」になれると感じた.その街の景色に溶け込むことは,想像しているよりずっと気持ちがいいのだ.
ドイツで生活を始めて3ヶ月が経ったころ,友達とサッカーのチャンピオンズリーグを観に行く機会があった.チャンピオンズリーグのテーマソング,アンサムを生で聴くことはサッカーを愛するすべての人の憧れだろう.試合も大変ヒートアップして大興奮のまま最寄りの駅まで帰ってきた.
最寄りの駅まで自転車で来ていた僕だったが,止めていたはずの場所にロードバイクはなかった.鍵はかけていたが,どんな鍵も切られてしまう可能性はある.きっとどこかに安く売られてしまったのだろう.
それから数日は,本当に元気を取り戻すことができなかった.
自転車のない生活は考えられなかった
残念ながら,ドイツで新しいロードバイクを買うほどの資金力を持ち合わせてはいなかった.帰国してからもお金はなかったので,ロードバイクを買うことはできず,自転車を持っていないまま時間が過ぎてしまった.
おそらく,自分が地球上で唯一の人間だったら,僕はロードバイクが欲しいとは思わないだろう.
僕の周りには気づけば自転車が好きな人がいる.
僕の先生は,世界各地の学会に行く際,自転車を持っていき,仕事の合間を縫ってロードバイクを楽しんでいる.帰国してから,安い中古車を買おうとしている僕に対して,「車はあれば便利なものだけど,自転車は欲しくて必要なものでしょ」と言ってくれた.
僕が美瑛でいつもお世話になっている「アルプロッジ美瑛」というゲストハウスのオーナーは,自転車で世界を回った経験がある素敵な方だ.その方は札幌でおすすめの自転車のお店「White Line Bicycle」を教えてくれた.
札幌でスポーツバイク店を営んでいる「White Line Bicycle」さんは,はじめて訪れた僕の話を真剣に聞いてくれて,それに対して大変丁寧に説明をしてくれた.僕はその接客を受けてこのお店でロードバイクを買おうと決断できた.
1月にアルプロッジさんにWhite Line Bicycleを紹介してもらってから,3ヶ月悩んで,僕は新しいロードバイク「TREK EMONDA ALR5」を購入した.
自転車はただの移動手段ではない.
乗っている時の疾走感は絶対に車では体感できない.
バイクでもその疾走感は得られるかもしれないが,自転車の燃料は自分の体だ.自分の体の全てを使って前に進む乗り物が自転車である.
すでに1ヶ月乗って大変気に入っているが,これからも大切に乗り回したいと思っている.
もし,ロードバイクに興味がある人がいれば,簡単な相談くらい乗れます.それくらい色々調べました.笑