初の世界戦 in Europe
国際学会での発表チャレンジ
また一つ自分にとって,大きな進歩だったのではないかと思い,ブログに残しておこう.
研究を本格的に始めたのが,2019年9月.
それから約3年が経って,博士課程に進学していて,大学教員をやっている.
研究を始めたときは想像もしていなかったし,今振り返っても結構スピードを出してきているような気がする.
そして,今回はヨーロッパで開かれた2つの学会で初めて対面で研究発表を行った.
ドイツに行っていたから,少しは他の人よりも海外での経験があると言えるのかもしれないけれど,自分のやっていることを英語で世界に向けて発信するということは,また別の次元の経験だった.
一つ目はスコットランドのグラスゴーで行われたEECERA(European Early Childhood Education Research Association)でのポスター発表.
ポスターを介して見に来てくれた人と色々と議論を交わしたけれど,そこまでたくさんの人が来たわけではなかった.乳幼児の保育や発達についてはまだまだ勉強の途中でわからないことも多く,今後はもう少し力を入れて研究したい.
自分の中で幼児の研究をどのあたりに位置づけるか,ちょっと作戦を練る必要がありそう.
2つ目は,スペインのセビリアで行われたECSS(European College of Sport Science)での口頭発表.
口頭発表は10分間の英語でのプレゼンに5分の質疑応答.
前にブログで書いたことがあるけれど,別に英語が得意なわけでもないし,全く自信なんてない.
発表エントリーの時に,口頭発表かポスター発表かを選べるんだけど,今回が国際学会での発表デビューだし,最初はポスターでいいかなと思っていた.
でも,改めて考えてみれば,口頭発表は年齢を重ねれば重ねるほど絶対にやりたくなるし,きっと自分の中でのハードルが上がっていく.
今の自分が一番若いのだから,ここはチャレンジ!と思い,口頭発表を申し込んだ.
色々英語の準備もしようともがいていたのだけれど,結局ほとんどそんな時間を取ることができず,本番に挑むことになった.
僕の悪い癖だけれど,本当にギリギリまで準備をしてしまう.
というかギリギリお尻に火がつかないとや取り掛からない.
今回も準備はかなりギリギリだった.
自分の番がきて,結構な人が見に来てくれている中,なんとか自分の伝えたいことを伝えた.最初に掴みで,「初めての国際学会での口頭発表でとても緊張していた.でも今は大丈夫!」と言うとフロアに笑いが.これは嬉しい!
何より,今回は内容には自信があって,結構面白いとは自負していた.
自分の発表後の質疑ではイタリア人の柔道の研究者が質問をしてくれた.なんとか聞き取って,議論を交わす.
その人との質疑応答が終わり,同じフロアにいた僕も含めたプレゼンター4人の発表が終わった.その後,座長がおもむろにフロアを煽る.
「さて,全員終わったけれど,最後に全体を通して質問したい人はいますか?」と言い出した.
終わってホッとしたのも束の間で,僕の発表に対して3人くらいの人から質問がきた.
その質問の時間が終わった後もさらに3人くらい僕のところに来て,ねぎらいの言葉と質問で議論が続く.
拙い英語でなんとか説明したけど,ここでしっかり議論できるためには僕の英語は弱すぎるな.
約2週間に渡って,2つの国際学会に参加して色々なことを感じて経験した.
世界中には真摯に研究に立ち向かっている人たちがたくさんいて,でも自分の研究も負けているとは思わない.
なんとなく,今の自分の立ち位置を知ることもできたと思う.
研究を始めた時に憧れていた中島先生のFacebookの写真と話.
「仕事で海外に行って学会に参加して,その土地を見て回る.こんな幸せなことないでしょう?」
そう言われて,いつか自分も・・・と思っていた.
研究発表をするようになってからすぐにコロナで外に出られなくなって,せっかくの国際学会もオンライン参加ということもあった.そんな念願だった国際学会での発表は緊張感もやりがいも充実感もすべてこれまで経験したことよりも大きかった気がする.
仕事はなんでもそうだと思うけれど,研究活動も決して楽ではない.
せっかくヨーロッパに行っても論文の締め切りに追われて,発表準備に追われて,それでいて博士論文の構想を考え続けて頭は休まらない.
でも,自分が苦労して足も手も頭も動かして,その結果を色々な人に聞いてもらって議論することが僕は研究の何よりの醍醐味ではないかと思う.
その営みがいつか日本の,北海道の子どもたちや先生たちの役に立つというのなら,僕は今の仕事や研究活動にとても大きな誇りを感じる.
まだまだ始まったばかりで知らないことばかり.
英語も世界の舞台で議論するレベルに達していない.
その分,これからの伸び代があると思って,立ち向かって行こうと思う.
この喜びや感動を共有できるような仲間をこれからは作っていきたいと思う.